カントリー・ロックは 1960年代後半に登場したジャンルで、カントリー・ミュージックと ロックンロールの要素を融合させたものである。カントリー・ロックは、伝統的なカントリー・ミュージックが持つトワンギーなサウンドと ストーリー性を、ロックのエネルギーと楽器編成と融合させたものである。カントリー・ロックは、バッファロー・スプリングフィールド、マイケル・ネスミス、ボブ・ディラン、インターナショナル・サブマリン・バンドといったアーティストに端を発する。1970年代には、エミルー・ハリス、イーグルス、リンダ・ロンシュタット、ピュア・プレーリー・リーグなどのアーティストが登場し、このジャンルは広く人気を博した。カントリー・ロックは、その中核となるジャンルを超えて、グレイトフル・デッド、ザ・ローリング・ストーンズ、ジョージ・ハリスンのソロ活動など、さまざまなジャンルのアーティストにもその足跡を残し、サザン・ロックの進化に重要な役割を果たした。
音楽性
音楽的には、カントリー・ロックはロックのメロディ構造と楽器編成に、カントリー・ミュージックの叙情的なテーマとヴォーカル・スタイルを取り入れたものである。このジャンルでは一般的に、エレキギター、ドラム、ベース、キーボードに加え、バンジョー、バイオリン、スティール・ギターなどのアコースティック楽器をフィーチャーする。カントリー・ロックの曲は、キャッチーなメロディー、ハーモニー、リズムを含むことが多い。このジャンルの音楽性は、ゆったりとした内省的なバラードからアップビートなアンセムまで幅広い。ロカビリーから フォーク、ブルース、ホンキートンクまで、多様なスタイルが見られる。
テーマ
カントリー・ロックの歌詞は、カントリーとロックの両方の聴衆の共感を呼ぶ、幅広いテーマを探求している。歌詞は、日常生活、愛、人間関係、失恋、アメリカの田舎や郊外での体験を中心に展開する。カントリー・ロックの曲の多くは、ノスタルジア、自由、労働者階級の闘争といったテーマにも触れている。
有名アーティスト
カントリー・ロックはカリフォルニアの音楽シーンで大きな人気を博し、ハーツ・アンド・フラワーズ、ポコ(元バッファロー・スプリングフィールドの リッチー・フューレイと ジム・メッシーナが結成)、ニュー・ライダーズ・オブ・ザ・パープル・セイジなどのバンドに受け入れられた。ボー・ブランメルズや ニッティ・グリッティ・ダート・バンドなど、フォーク・ロックなどのジャンルのアーティストも、バーズに続いて カントリー・ロックのジャンルに入った。例えばビートルズは、1968年のセルフタイトル2枚組アルバム(しばしば"ホワイト・アルバム "と呼ばれる)に収録された「ロッキー・ラクーン」や「ドント・パス・ミー・バイ」、『アビイ・ロード』収録の「オクトパス・ガーデン」などでカントリーの要素を追求している。ルーツ・アルバム(1968年)が彼らの最高傑作とされるエヴァリー・ブラザーズ、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルから ブルーリッジ・レンジャーズ (1972年)のカントリー・サウンドに移行したジョン・フォガティ。ブルーグラス・アーティストもカントリー・ロックに移行することになるが、カントリーからロックへの移行に成功した注目すべきアクトのひとつは、ブルーグラス・バンドの ザ・ディラーズで、ダグ・ディラードは脱退し、元バイズの ジーン・クラークと バーニー・リードンとともに ディラード&クラークを結成した。