グラム・ロックは、グリッター・ロックとも呼ばれ、1970年代初頭に登場した音楽ジャンルである。華やかで芝居がかったスタイルが特徴で、ロックと ポップの要素を組み合わせ、イメージとファッションに重きを置いている。1971年から1975年まで、イギリスのチャートは グラム・ロックで埋め尽くされた。このムーブメントは、1971年にマーク・ボランが BBCの『トップ・オブ・ザ・ポップス』に出演し、グリッターとサテンを身にまとったことから始まったと考えられている。この出来事は、グラム・ロックのきっかけとなったと考えられている。この時期のイギリスのグラム・ロックには、デヴィッド・ボウイ、モット・ザ・フープル、スウィート、スレイド、マッド、ロキシー・ミュージック、ゲイリー・グリッターなどがいる。
音楽性
音楽的には、グラム・ロックはロック、ポップ、グラム・アートなど様々なジャンルからインスピレーションを得ている。キャッチーなメロディー、アンセミックなコーラス、エネルギッシュなギター・リフが特徴。リズム・セクションはしばしばドライヴでアップビートであり、観客の参加を促す伝染性のエネルギーを生み出す。
グラム・ロックのアーティストたちは、ピアノ、シンセサイザー、オーケストラ・アレンジを楽曲に取り入れ、多様な音楽的要素を実験的に取り入れた。芝居がかった華やかさはステージ・パフォーマンスにも及び、アーティストは凝った衣装や化粧、贅沢な舞台装置を取り入れた。
グラム・ロックのサウンドは、キャッチーなフックと感染力のあるエネルギーでリスナーを魅了する、その大らかさを特徴としている。
テーマ
グラム・ロックは、個性、反抗、自己表現といったテーマを叙情的に表現する。多くの曲は型にはまらないことを賛美し、リスナーが自分のユニークさを受け入れ、群衆から目立つことを奨励する。歌詞はしばしば解放感を伝え、表現の自由を促進し、社会規範を打ち破る。
グラム・ロックは、名声、アイデンティティ、セクシュアリティといったテーマも掘り下げている。エンターテインメント業界を渡り歩き、名声のプレッシャーに対処することの難しさを歌った曲もある。
有名アーティスト
代表的なグラム・ロック・アーティストには、デヴィッド・ボウイ、T・レックス、ロキシー・ミュージック、クイーン、スレイド、スウィートなどがいる。
アメリカでは、グラム・ロック・シーンはイギリスに比べて目立たず、イギリスでヒットを飛ばしたのはアリス・クーパーと ルー・リードだけだった。その他のアメリカのグラム・アーティストには、ニューヨーク・ドールズ、スパークス、スージー・クアトロ、イギー・ポップ、ジョブリアスがいた。1970年代半ば以降、グラム・ロックの人気は衰えたが、その影響はパンクロック、グラム・メタル、デス・ロック、ゴシック・ロックといった他の音楽ジャンルにまで及んだ。さらに、1970年代 後半にナイトクラブのアンダーグラウンドなファッション・サブカルチャーとして始まり、1980年代前半に主流となったニューロマンティック・ムーブメントも、グラム・ロック時代のヴィジュアル・スタイルに影響を受けている。