ジュネーブはレマン湖畔に位置する都市である。有名なジュネーブ大劇場では、オペラ、バレエ、クラシックのコンサートが開催され、世界トップクラスのパフォーマンスが披露される。ムジーク・アン・エテ(Musiques en Été)のような音楽祭では、ジャズや ブルースから ワールドミュージックまで、さまざまなジャンルの音楽が街の公園や広場を活気づける。卓越した音響効果を誇るヴィクトリア・ホールでは、スイス・ロマンド管弦楽団のコンサートが開催される。さらに、この街で盛んなジャズや EDMのシーンは、AMR(即興音楽奨励協会)のような会場を本拠地としている。
ジュネーブ出身の著名人のひとりに、1938年5月23日生まれのスイス人ドラマー、作曲家、画家の ダニエル・フメールがいる。ジャズ界への貢献で知られる。フメールは、ジャズシーンで最も独創的で多才なドラマーの一人とみなされている。また、ジュネーヴには、スイスのヒップホップシーンに大きく貢献し、熱狂的なファンを持つラッパー、スリムカがいる。
アニメンは、ジュネーヴを拠点に活動するインディーロックバンドで、エネルギッシュなパフォーマンスとキャッチーな楽曲で注目を集めている。ロック、ポップ、パンクの要素をミックスした楽曲が多く、地元の音楽ファンに愛されている。また、伝統的なスイスの民族音楽と 現代的なサウンドを融合させたグループ、ママ・ロジンも注目のバンドである。
平和の首都」と呼ばれるジュネーブは、多文化が共存する街である。赤十字や国連の事務所があることからも、ジュネーブが世界的に重要な都市であることがわかる。芸術歴史博物館(Musée d'Art et d'Histoire)などの美術館には、スイス国内外のアーティストの作品を含む多様なアート・コレクションが収蔵されている。石畳の道と歴史的建造物が並ぶ旧市街では、サン・ピエトロ大聖堂やスイス最古の邸宅であるメゾン・タヴェルなど、珠玉の建造物を見学することができる。賑やかなパレードや伝統音楽とともに歴史を再現するエスカラード祭(Fête de l'Escalade)などのイベントでは、ジュネーブの文化の多様性を讃える。
チューリッヒに次いでスイスで2番目に大きな都市ジュネーブの近くには、簡単にアクセスできる町や都市がいくつかある。北にはスイス第4の都市ローザンヌがある。南西には レマン湖畔に位置するニヨンがあり、歴史的な名所がある。東の アヌマスは フランスにあるがジュネーブに近く、市場やショッピングセンターで知られる。
ジュネーブの歴史はローマ時代まで遡り、エスカラード神殿などの遺跡がその証である。宗教改革では重要な役割を果たし、ジョン・カルヴァンはこの街の宗教的景観に忘れがたい足跡を残した。アンリ・デュナンによって創設された国際赤十字・赤新月運動のルーツはジュネーヴにあり、ジュネーヴの人道的遺産を際立たせている。レマン湖にある壮大な噴水「ジェット・ドー」は、ジュネーヴを象徴するシンボルである。ジュネーブの旧軍工廠(Maison de l'Ancien Arsenal)は、その軍事的な過去を展示し、かつて国際連盟が置かれたパレ・デ・ナシオン(Palais des Nations)は、この街の外交的な遺産を保存している。